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編み物で日頃のストレスを発散

編み物 1本の糸から平面、立体へと形を変える編み物。初期投資も少なく、時間を忘れて楽しめるため、幅広い年代の女性の趣味として、確固たる地位を確立しています。女性なら誰しも1度は触れたであろう編み物が、男性の間でじわじわと流行し始めているのをご存知ですか?女性がやるものだから、と男性の趣味として見落とされがちな編み物について見ていきます。

手編みはヨーロッパから伝わった

手編みの代表格とも言うべきセーターは、立体的な編み地と、ふんわりとした風合いが魅力的ですよね。手編みのセーターでよく用いられる、細い縄が複雑に絡み合ったような模様を、アラン模様と言いますが、これはアラン諸島で編み出された模様。

アイルランドやアラン諸島の周辺は、小さな島々が点在する地形で、漁業が盛んでした。そのため、多くの男性が漁師で、日常的に海に出ていましたが、今のように設備が整った船ではないので、必ずしも無事に帰って来られるわけではありませんでした。

魚のために命を賭けるとは、恐ろしい時代ではありますが、生産技術が低い当時は殆どの庶民が自給自足。食べ物が手に入らないことは死を意味していたので、危険を承知で漁師たちは海に出たのです。

そして、妻は海へ出かけていく男たちが寒くないように、手編みのセーターを用意しました。手編みのセーターに施す模様は、妻たちがそれぞれに工夫を凝らしたものだったのです。

万が一、夫が海に出たまま帰って来なかった場合、固有の模様を編むことによって、後に発見したときの判別に役立ったと言われています。 一方で、男性たちも獲物がかからず暇なときは、船の上で編み物を嗜みました。

ただ、男性たちは女性と違ってパートナーではなく、専ら自分用だったそうで、ヨーロッパでは昔から、編み物が実用性の高い男性の娯楽だったのですね。

男性だけの編み物サークルも

日本は飾り紐を除いて、糸を編むということはありませんでした。糸は編むものではなく、織るものだったのです。日本に編み物が普及したのは、江戸時代。足袋を作る技術として広まりましたが、現在のような欧米風の衣類や小物を作るようになったのは、1950年代とずっと後のこと。

洋裁と同じような認識で広まったため、ヨーロッパのように男性が主体的に楽しむ文化が生まれなかったのです。しかし、娯楽の多様化で編み物をちらほらと始める男性が増えてきて、「ニット男子」なんて言葉もメディアで紹介されました。都内を中心に活動する男性限定の編み物サークルなんていうのもあります。

1人で編み物をするのに抵抗があっても、何人かが集まれば相談できますし、恥ずかしさもありません。同じ趣味を持つ仲間との出会いは、編み物をもっと楽しくすること間違いありません。

わざわざ糸を求めて手芸店に足を運ばなくても、インターネットで購入すれば、好みの糸が多くの選択肢から選べますし、到着ししだい編み物に取りかかれます。ただ、編み物は完成までに時間がかかる趣味。すぐに取りかかっても、出来あがりがすぐというわけではありません。夏の物は春から、冬の物は秋頃からと、使用するシーズンを考え、余裕を持って作品を編み始めてください。

棒編みにせよ、かぎ針にせよ、編み物とは膨大な時間をかけて、1つの作品を編み上げます。編むという作業に没頭することで、気持ちが切り替えられます。編み始める前にあったことを忘れて、気づいたら気分がリフレッシュしていることに気づくでしょう。毎日が目まぐるしく過ぎ、気持ちが落ち着く暇がない人にこそ、ぴったりの趣味と言えます。